勝手時空雑記

思ふこと言はでぞただにやみぬべき われとひとしき人しなければ

An unforgettable memory in my dim recollections

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在りし日の「オリエンタルカレーショップ 栄店」

前回のブログで人混みが苦手なことについて少し触れましたが、都会の中心部を当てもなく彷徨い、何となく気になる店を飛び込みで訪ねる旅も好きです。時に「全国区で有名だが、その数が非常に限られている貴重な存在」である店舗を見つけたときなどは、訳もなく嬉しくなってしまいます(ちょっと大袈裟ですね)。

 

かつて名古屋市内、栄の一角にひっそりと店を構えていた「オリエンタルカレーショップ」などはその代表格。「カレーのキャラクターなのに何故黒人!?」という突っ込みは無しで…(笑)。子供の頃大好きだった三大カレールーのひとつであるこのオリエンタルカレー、大人になってから知ったんですが、愛知県のメーカーなんですね。

 

うろ覚えでしかないのですが、女優の松尾嘉代さんが作るカレーを大家族がよってたかって平らげるTVCM、古き良き時代の一コマでした。そして、一部のFreakには有名な「マースチャツネ(現在は単品で鋭意販売中)」。即席カレーの付属スパイスとして採用を始めたのは、おそらく同社が初めてではないかと…(根拠のない私見です)。

 

ところで、子供の頃あれほど美味しかった食べものやお菓子、いま口にすると「こんな味だったかなあ」と感じるのは何故なんでしょうね(オリエンタルカレーは、いま食べても十分に旨いですが…)。食品工業会全体のレベルが上がり、美味しいものが巷に溢れていることがその大きな要因なのでしょうが、同時に「幼い日の記憶は時間と共に頭の中で徐々に拡大解釈されるから」ではないかと、密かに、かつ強く思う次第です。

 

これは場所や建造物に関しても言えるのではないでしょうか。例えば、昔通った幼稚園に続く小道の何と広かったことか。そして、その脇にそびえ立つブロック塀の何と高かったことか。子供の頃は近隣の町に自転車で出掛けるだけでも、小さな冒険心が十分に満たされたなあ。

 

そう言えば、幼稚園に入園した当時、祖母に手を引かれ旅した関西、京都。その往路、東海道を走り始めたばかりの新幹線の車内、「こんな遠くまで来て言葉は通じるのか(恐)?」と本気で心配していたらしい(笑)。

 

その祖母もこの世を去って早や七年。

 

この記憶がふと頭を過るとき、「本当に言葉の通じないところに行ってしまったなあ」と改めて…、優しかった祖母の笑顔を思い出す。