勝手時空雑記

思ふこと言はでぞただにやみぬべき われとひとしき人しなければ

The gentle stone pavement on a rainy day

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Bruxelles市内南東部、静かな石畳の街並み

前回のブログで広場の石畳に埋め込まれたオーナメントの話をしましたが、その石畳、欧州では様々な都市の様々な場所で目にすることが出来ます。統計を取ったわけではありませんが、やはり一般的には旧市街の広場周辺に多いような気がします。中世の頃、雨による道路のコンディション悪化を防ぐため考えられたのかもしれません(推察による私見です)。

 

写真はBruxelles市内南東部、住宅街の一角にある石畳のストリートです。2000年代初頭の数年間、実はこの近くのマンションに住んでいました。そして写真には写っていませんが、フレーム右側、途切れた道の先に小さな中華料理店があり、週末、辛い炒め物が食べたくなった時など、それなりに通ったことを思い出します。

 

少し話が逸れますが、フランス人ほどではないものの、ベルギー人も基本的には辛味に弱い人が多く、市中の中華料理店やタイ料理店等で普通に注文すると、辛いはずの料理もそれほど(というか、全く)辛くないという経験をします。そのためオーダーの際には、必ず「辛くしてね!」との一言を忘れないようにしていました。

 

でも、本場の料理人が切り盛りするAsian Restaurantには注意が必要。相手が東洋人と分かるや否や、「待ってました(来たな!)」とばかりに本気を出します(笑)。まあ、この辺りは半分賭けみたいなもの。辛過ぎる料理もそれはそれで美味しいかったし、何より地元のレストランに通っている限り、そんな機会はなかなか巡ってこなかったので…。

 

余談が過ぎましたね。石畳の話に戻りましょう。

 

さて、写真からもお分かり頂けるとおり、この場所、道路は勿論のこと、駐車スペース、そして広場までの全てが石畳です。いったい全部で幾つの石が使われているんでしょう。そして、完成までにどのくらいの工期と予算を費やしたのでしょうか。こんな何気ない風景の中にも欧州の歴史や底力を感じないわけにはゆきません。

 

ところで、石畳の道路には見た目だけではない、歩行者にとって大きなメリットがあるのですが、お分かりになりますか?

 

それは雨の日。アスファルトによる舗装がメインの日本では道路のうねりによる凹凸が発生しやすく、窪んだ部分に水溜りが出来ることが多いですよね。間違って足を踏み込んでも酷い目に遭いますが、もっと悲惨なのは車のタイヤがそこを走った際巻き上げる水しぶきをもろに被ったとき…。

 

そうなんです、水溜りが出来にくい石畳の道ではそれがない。

 

無論、それを理由に考えたわけではないのでしょうが、国内のTVニュースの中で豪雨で出来た水溜りを車が走り、撥ね上げる水しぶきを見る度、あの日、あの街の、あの石畳の道を懐かしく思い出します。