勝手時空雑記

思ふこと言はでぞただにやみぬべき われとひとしき人しなければ

A graceful cherry tree in a small village

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とある山間の村の一本桜

二月にしては暖かな冬の日、とある山あいの村まで散策に出掛けました。普段は訪れる人も多い人気の観光地なのですが、平日ということもあり、ゆっくり時を過ごすことが出来ました。

 

その道すがら、田舎のあぜ道の脇に咲く一本の桜の木に出会いました。実は、桜にはあまり興味はないのですが、何故かこの木にだけは心惹かれました。

 

もう何十年も前から、もしかしたら僕が生まれる前からこの地に根を下ろし、その可憐な姿を一年に一度だけ、限られた地元の人々に魅せ続けてきたのでしょう。

 

あいにく花の名前を覚えるほど繊細な心を持ち合わせてはいませんが、そんな僕の足を止めるほどの静かな存在感に圧倒され、その姿をフレームに収めました。

 

後にして思えば、この日は疾うの昔にこの世を去った祖父の命日…。

 

幼少の頃を過ごした町家づくりの家の中庭にもこんな桜が咲いていたことを、何十年ぶりかにふと思い出した、そんな一日でした。