勝手時空雑記

思ふこと言はでぞただにやみぬべき われとひとしき人しなければ

A break for mind in the bustling city

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桜餅のセットとFinancierのセット



夕方のひととき、とある商店街の二階にある喫茶店でひとやすみ。ここは友達と何度か訪れたことがある店。近くに古い老舗の餃子専門店があり、食事後、他愛もない話をしながら、ゆったり時を過ごす場所です。迎えてくれたのは僕よりも少し若そうなマスター。そのマスターの勧めで、今日は桜餅とフィナンシェのセットを頂きました。

 

この友達とはもう三十数年来の付き合いです。きっかけは、ある電機メーカーへの中途入社のタイミングがほぼ同時期だったこと。たまの週末、街の街に繰り出し、グラスを傾けながら一緒に歌を歌う仲。その後、僕の転職で200km以上距離が離れたにも拘らず、月に一度の割合で会い続ける、数少ない親友の一人です。

 

さてこの彼、歌のレパートリーは本当に広い。演歌から最新のJ-POPまで何でも来い!50年代の古の歌謡曲(しかも女性ボーカル)も歌えば、名前も聞いたこともないビジュアル系バンドの最新曲も卒なくこなす。「いったいどこでどうやって覚えるんだろう」。都度、街や店の名は変わっても、彼の歌を聴くたび思うことはいつも同じ(笑)。

 

酒には滅法強く、酔い潰れない。そして何より素晴らしい点は、決して管を巻かず、人に説教をしないこと。時々、アルコール分解能力の許容限度を一瞬だけ超えることもあるけれど、そんな時はカウンターに突っ伏して一人静養(笑)。ちなみに僕は下戸。相手が彼でなければ、夜の街を出歩くことは無いだろうと思います。

 

でもそんな彼と、この数か月会えずにいます。理由は小人…、ではなく「COVID-19」。前述のとおり、僕が夜の街に出る機会は「彼が東京にやってきた時だけ」。時折、彼からLINEメッセージが送られてきます。内容は仕事の近況、そして深夜の繁華街からの実況生中継(笑)。相変わらず行きつけの店の常連さん達に可愛がられているみたい。

 

常に自分の意見をはっきり述べ、女性に対しお茶目な失言もするけど、決して人から憎まれない。人生の折り返し地点を過ぎてなお、子供みたいなところがある。

 

「自分に無いものを持つ友って、何物にも代えがたい一生の宝物、贈り物なんだなあ…」と、Jitterin' Jinnの「プレゼント」をハモリながらよく思う次第。