勝手時空雑記

思ふこと言はでぞただにやみぬべき われとひとしき人しなければ

A new step toward the new year 2021

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幼い頃から慣れ親しんだ秀麗な山並み

その昔「ウルトラQ」というドラマがありました。地球侵略を狙う宇宙人や怪獣が毎回出現。人類が科学の粋を集めた最新兵器で立ち向かうという特撮映画です。ウルトラマンを始めとするウルトラシリーズの原点ともいうべき画期的な番組でした。子供心に毎週の放送を一日千秋の思いで待っていたことを、つい昨日のことのように思い出します。

 

その中の一話に「2020年の挑戦」という放送回がありました。地球征服を企むケムール人なる宇宙人が、怪しげな液体を使って一般民間人を誘拐。一時的に雲の中に隠してしまうという内容だったと記憶しています。ロケ場所は、今は無き「向ヶ丘遊園」。巨大化したケムール人が大観覧車を派手に壊すシーンを今でも鮮明に覚えています。

 

「2020年か…、随分と遠い未来の話だな」。まだ幼かった僕はそんな思いを胸に抱きながら、刻々と状況が変化する番組に没頭していました。2020年の世界では科学技術が劇的に進歩し、環境問題・医療問題等は跡形もなく消え失せている。そんな夢のような話を、子供だけではなく、多くの大人もきっと信じて止まなかったに違いありません。

 

今、その時代に生きる僕たちは「COVID-19」と命名された新型コロナウィルスに平穏な日常生活を脅かされています。半世紀前、心に思い描いた未来とは全く異なる世界。高度に文明化されたグローバル社会では、一地域で起こったたったひとつの出来事が、瞬く間に世界の人々の暮らし、果ては人生までをも変えてしまう…。何だかいろいろ考えさせられますね。

 

さて、社会人生活を続ける僕は毎期末、中期計画なる向こう三年間に行うべき戦略・施策を立案します。しかしながら、今年ほどその作業が空しく思えた年はありませんでした。計画した施策は悉く中止、あるいは延期。つい先日、来期の予算組みも済ませましたが、この状況下、海外出張旅費はゼロベースでの答申とせざるを得ませんでした。

 

プライベートでも、今年一年は様々な出来事がありました。とりわけ先々月、突然のように降って湧いた災難は、一生忘れることが出来ないでしょう。冒頭の写真はその翌日、葬祭場の窓から眺めた早朝の風景です。幼少の頃を北関東の町で過ごした我々兄弟が見慣れた景色。その「天」と「地」をきっかりと分けるように、厚い雲が横たわっていました。

 

明日から新しい年。2021年はどんな年になるのでしょう。少なくとも今よりは良い年になるよう、心から祈らずにはいられません。

 

暫くの間、お休みしていたこのブログも、また少しずつ書き始めようかと思っています。